B20

B20は国鉄の前身である運輸通信省(のちの運輸省)が第二次世界大戦終戦前後に製造した入換用小型タンク蒸気機関車です。これほど小さな蒸気機関車は明治時代以来で、極めて異例です。戦時中に生産された蒸気機関車の一種で本線用の機関車の譜系とは無関係の存在です。通常なら車両扱いされない「構内作業用機械」が都合で「鉄道車両」扱いされたという捉え方がB20の実情に近いです。戦時中の設計・製造のため問題が多く、余りに小さすぎたため用途が極端に限定されました。そのため車齢の若いうちに多くが廃車されました。
富山県に工場を持つ立山重工業で製造されました。随所に代用材が使用されています。最大の特徴は空気ブレーキを持たず、代わりに蒸気圧ブレーキを装備しています。強大なブレーキ力が必要な高速運転などとは無縁で、小運転ならと割り切ったものでした。蒸気圧ブレーキは昭和時代の国鉄機関車としてはB20が唯一の採用例です。
戦後本来の入替という目的で使用されたのは数両のみで、無火機関車の入替や、機関区内の石炭輸送などで使用された後早期に廃車されました。そのなかでも小樽築港機関区の1号機と鹿児島機関区の10号機が国鉄SL末期まで使用され、2両はそれぞれ北海道岩見沢市の万字線鉄道公園と梅小路蒸気機関車館に保存されています。そのなかでも梅小路蒸気機関車館に保存された10号機は2002年に梅小路蒸気機関車館開館30周年とJR西日本発足15周年を記念してボランティアの手を借りて動態復元されました。車籍はありませんが、梅小路運転区に在籍するDE10と共に火の入っていないSLの入替という本来の目的で使用されています。現在準鉄道記念物に指定されています。


2009/10/10 梅小路蒸気機関車館にて


2010年鉄道の日記念 2010/10/10 梅小路蒸気機関車館にて

胴体復元工事記念プレート
2009/10/10 梅小路蒸気機関車館にて
製造プレート
2009/10/10 梅小路蒸気機関車館にて

参考書籍:ウィキペディア(Wikipedia)フリー百科辞典 国鉄B20形蒸気機関車

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