C56

C56は国鉄の前身である鉄道省が製造した軽量小型テンダー式機関車です。閑散支線用に最適化され、C12から水槽と炭庫を外してテンダー式に再設計されたのがC56です。
当時閑散支線には転車台が設置されている箇所が少なかったため、後方が見にくくならないようテンダー側面を大きく欠きとって後方視界を確保しています。しかし、実際は従軸がなく、バック運転時は脱線が多発しました。1935年から39年までに160両が川崎車輌、汽車製造、日立製作所、日本車輌、三菱重工業で製造されています。軽量でありながら長距離運用に耐えられる設計のため、太平洋戦争開戦直前に90両がタイ・ビルマに出征しました。戦後もタイ国鉄で46両が使用され、現在でも2両が動態保存されています。また1979年から2両が日本に帰還しました。1両は靖国神社近くの施設で保存、1両は大井川鐵道で動態保存されています。
国内に残ったC56は閑散支線の各線で主力機として使用されていましたが、DD16の開発後置き換えが始まりました。1974年に定期運用を退きました。一方で1973年には小海線で復活運転が行われました。この時の高原を走る姿から”高原のポニー”と呼ばれ、愛称のポニーはここから由来したものです。
現在大井川鐵道で44号機が、JR西日本が160号機が動態保存され、前者はSL急行で、後者はSL北びわこ号やSLやまぐち号でC57と重連運転なども行っています。他にも神奈川臨海鉄道など日本各地に保存されています。なお160号機は準鉄道記念物に指定されています。


2007/10/6 梅小路蒸気機関車館にて

参考書籍:ウィキペディア(Wikipedia)フリー百科辞典 国鉄C56形蒸気機関車

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